Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

その隙にお絹が天狗に浚われたのだから、幸いにしてお絹は帰って来たからいいようなものの、もし帰らなければ、所詮自分の腹切り勝負だと思いました。とてもここにこうしてはいられぬ、面目のないことだと思いました。米友は、それ故に良心の呵責を受けています。しかし、米友の単純な心でも、どうもあれからのお絹の挙動が解せない、他の人が騒ぐほどに騒がないお絹の心持がわかりません。髪容や着物のさんざんになって帰って来たところを見れば、かなりヒドイ目に遭って来たのだろうと思われるにもかかわらず、そのヒドイ目に遭わした奴に仕返しをしてやろうという気が更に見えない。仕返しをしてみようという気がないばかりでなく、そのために山狩りをして悪い奴を捉まえようとするのを、よけいなことのように見ています。

それよりもなおわからないのは、昨夜あれほどに人騒がせをやった当人であるにかかわらず、今日はもうケロリとしてしまって、甲府から迎えに来たというお武士を引張り上げて、あの通り御機嫌よくもてなしているということが、正直な米友にとっては忌々しいことです。

あんなとりとまりのない人間を、槍を持って番人に廻っているのがばかばかしいと考えている時に、障子が不意にあきました。