Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
「おやおや、この娘さんが危ない、こりゃ病気上りで無理な旅をしたものだ」
この若い馬商人は心得てお君の身体を揉み、懐中から薬などを出してお君に含ませ、
「おい姉さん、しっかりしなさいよ、眠るといかんよ、眠らんで眼を大きくあいておらなくてはいかんよ、わしはこれから有野村の馬大尽へ行くのだが……」
ほどなくお君はこの馬商人に助けられ馬に乗せられて、有野村の馬大尽というのまで連れて来られました。
馬大尽の家の前まで来て見るとお君は、その家屋敷の宏大なのに驚かないわけにはゆきません。
甲州一番の百姓は米村八右衛門というので、それが四千五百石持ちということであります。和泉作というのは東郡内で千石の田畑を持っているということであります。この馬大尽はもっと昔からの大尽でありました。
甲州の上古は馬の名産地であります。聖徳太子の愛馬が出たというところから黒駒の名がある。その他、鳳凰山、駒ヶ岳あたりも馬の産地から起った名であります。御勅使川の北の方には駒場村というのがあります。この有野村は、もと「馬相野」と言ったものだそうです。お君が来て見た時、屋敷の近いところにある広い原ッぱや、眼に触れたところの厩を見てもちょっとには数えきれないほどの馬がいました。