Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

と言って、お君も同じくお城の方を見ていました。

「幸内は、お父様の大切なあの刀を、あたしから借りて、この御城内のどなたかへ見せに来たものに違いない、この御城内のお方でなければ、有野村の近所で、あの刀を見たいというような人があるはずはないのだから」

「それもそうでございます、御城内のどなた様へおいでなさいましたか、それがわかりさえしますれば……」

とお君の返事から、お銀様は暫く考えて、

「あの、お君や」

と少し改まったように言いました。

「はい」

「お前は、この御城内に知人がおありかえ」

「いいえ」

お君は、どうして私風情が、御城内のお方になんぞと、首を横に振って眼をりました。

「おありだろう」

と言ってお銀様は、意味ありげにお君の面を見ました。

「いいえ、わたくしなんぞが」

とお君は言葉に力を入れて言いわけをしましたけれど、お銀様はそれを肯かないで、

「お前はこの御城内にお親近の方があるはずなのよ、お前は知らないと言うけれども、わたしはちゃんと知っている」

「お嬢様、どうしてそんなことがございましょう、わたしは他国者でございますから」

「けれどもお前、よく考えてごらん」

「どんなに考えましても」