Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
その声でブルブルと、わっしは慄え上ってしまいましたよ。旦那のように睨みが利きませんから逃げ出しました。とうとうここまで追い詰められてこんな怪我をした上に、ごらんなさい、着物の裾なんぞはこの通りズタズタでございます。ほんとに忌々しい畜生ったら」
金助は兵馬に礼を言うことを忘れて、犬の悪口ばかり言います。
「いったい、この村のやつらが悪い、あんな性質の悪い狂犬を放し飼いにしておくのがよろしくねえ、叩き殺してしまやがりゃいいんだ」
今度は村の人へ飛沫。
この男はしきりに狂犬呼ばわりをするけれど、兵馬は決してあの犬を狂犬とは思っておりません。
「さて、お前さんはこれからどこへ行かれるな」
「ついそこの竜王村というところまで参りますんで」
「帰りに、また犬が出たらなんとなさる」
「脅しちゃいけません、もう懲々でございます」
「しかし帰りには必ず出て来る」
「冗談じゃありません、こんど出やがったら、村の若い衆を大勢たのんで叩き殺してしまいます」
「そんなことをするとかえってよろしくない。察するのにお前は、何かあの犬に怨みを受けるようなことをした覚えがありそうじゃ」
「驚きましたね、いくら人間が下等に出来上っていたからと申しまして、まだ犬に恨みを受けるようなことをした覚えはございません」