Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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きめんじょうのひみつ

奇面城の秘密/夜光人間

江戸川 乱歩

Lesen Sie 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 150.254 Zeichen · 300 Bildschirme

Aozora Bunko

闇に光る顔

「ぼくのうちのそばの、やおやのおじさんが見たんだって。この森のまん中に、大きなシイの木があるんだよ。そのシイの木の下から、スウッと、青いひとだまが浮きあがってきたんだって。そして、シイの木のてっぺんまで、するするすると、まるで木のぼりをするように、あがっていって、それから、空へ飛んでいってしまったんだって。」

「それ、どのくらいの大きさなんだい?」

「直径三十センチぐらいだって。オタマジャクシみたいな長いしっぽがあって、それがふらふらと動いていたっていったよ。」

「わあ、すげえ! そいつが、こっちへ、とびついてきたら、たいへんだね。」

「おどかすなよ。ぼくが、これから、はいっていくんじゃないか。」

井上君が、しかるように、どなりました。そして、

「じゃ、いってくるよ。」

といいすてて、そのまま、森の中へ、すがたを消しました。

闇に光る顔

井上一郎君は、ただひとり、黒ビロードのような闇の中を歩いていきました。大木がたちならんでいますから、その幹にさわりながら進むのです。

めくらになってしまったように、なにも見えません。風がないので、木の葉のざわめきもなく、自動車のとおる町からは、遠くへだたっているので、あたりは、しいんと、しずまりかえって、耳が聞こえなくなってしまったのかと、うたがわれるほどです。