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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

Lesen Sie 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.333 Zeichen · 385 Bildschirme

Aozora Bunko

八

彼は平生の通り落ちついていた。なに試験なんかどうにかこうにかやっつけまさあと受合ったところに、満更の虚勢も見えなかった。大丈夫かいと念を押した時、彼は急に情なそうな顔をして、人間の頭は思ったより堅固にできているもんですね、実は僕自身も怖くってたまらないんですが、不思議にまだ壊れません、この様子ならまだ当分は使えるでしょうと云った。冗談らしくもあり、また真面目らしくもあるこの言葉が、妙に憐れ深い感じを僕に与えた。

八

若葉の時節が過ぎて、湯上りの単衣の胸に、団扇の風を入れたく思うある日、市蔵がまたふらりとやって来た。彼の顔を見るや否や僕が第一にかけた言葉は、試験はどうだったいという一語であった。彼は昨日ようやくすんだと答えた。そうして明日からちょっと旅行して来るつもりだから暇乞に来たと告げた。僕は成績もまだ分らないのに、遠く走る彼の心理状態を疑ってまた多少の不安を感じた。彼は京都附近から須磨明石を経て、ことに因ると、広島辺まで行きたいという希望を述べた。僕はその旅行の比較的大袈裟なのに驚ろいた。及第とさえきまっていればそれでも好かろうがと間接に不賛成の意を仄めかして見ると、彼は試験の結果などには存外冷淡な挨拶をした。