Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
東京で独立ができさえすれば、私田舎へなぞ行くのは、気が進まないんです。私独立ができるでしょうか。」
「そうなれば、またその談にしなければならんがね。それは後の問題として、田舎へ引っ込むのがどうしても厭なら、一応私の方から、兄さんの方へ言って上げてもいい。私にしたところで、兄さんのしかたは少し勝手だと思う。」
しかし浅井の言ってやったことは、田舎では受け入られそうもなかった。とにかく、本人を一度よこして下さい。この手紙が着き次第すぐにも立たして下さい――そう言って兄の方から折り返し浅井に迫って来た。その手紙は、お増の前にも展げられた。夫婦はちょうどお今をつれて、暮の買物をしに、銀座の方へ出かけて行こうとしているところであった。新しい足袋をはいて、入れ替えたばかりの青い畳のうえをそっちこっちわさわさ歩いているお増の衣摺れの音が忙しそうに聞えたり、下駄を出すお今の様子が、浮き浮きして見えたりした。浅井は外出のそわそわした気分を撹き乱されて、火鉢の傍に坐って、手紙を繰り返し眺めていた。
「やっぱり返してくれと言うんでしょう。」
お増も、半襟を掻き合わせなどしながら、傍へ寄って来た。