Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
Lesen Sie 春泥・三の酉 (しゅんでい) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.075 Zeichen · 173 Bildschirme
「ビックリして眼をまわしたか?」三浦はすぐ茶化して「『夏小袖』の灰吹やじゃァあるめえし……」
「いゝえ。……いゝえ、そうじゃァなしに。――チョコにしたら随分寝ざめがわるかろうじゃァないか。」
「そんな男じゃァねえ。」
膠もなく小倉もいった。
「いゝえ、そんな男じゃァなくっても……」
「かつぐとしたら楽天坊主だ。」三浦は引取って「吾妻に死なれ、若宮に死なれ、これでまたもしチョコに死なれたらいかに料簡の太え奴でも……料簡の太え奴は太えだけそれだけどッかに脆いところがある。――いゝ加減気を腐らすだろう。」
「それに懲りて身にすぎた望みを起さなくなればそのほうが天下のためだ。」
「ふざけちゃァいけねえ。……一度や二度へたばったってそのまんま音無しくへたばり切る相手じゃァねえ。――一度みこんだら決してあきらめるこっちゃァねえ。」
「そんなにも、けど……?」
「芸妓でも、女優でも、あいつにこうとみこまれたら助かりっこねえ。――いくら逃げてもきッとものにされる。――そのまた逃げるのを無理から追ッかけてしめるのがあいつの味噌なんだ。」
「押しの強い奴にはかなわねえのよ。」小倉はいった。