Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅんでい

春泥・三の酉

久保田 万太郎

Lesen Sie 春泥・三の酉 (しゅんでい) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.075 Zeichen · 173 Bildschirme

Aozora Bunko

三

――さすがに、だから、いつも繁昌のこの「菊の家」も二人の外にはだれも客がない……

三

「しかし、実際は……」すぐまた「うたむら」の主人は言葉を継いで「いつかはそれはそういうことになる、……そうなるときが来るとはわたくしどもでもそう思っておりました。が、こんなに早く、こうまで急にそうなろうとは。――わたくしどもにいたすと不思議……というよりは怖い気がいたします。」

「………」

田代は、鯛チリの、豆腐をすくいかけた眼を相手のほうに向けた。

「いゝえ、俥。――おんなし人間を人間が乗ッけて曳く。……いゝものじゃァござんせん、決していゝ図のものじゃァござんせんが、わたくしどもの若い時分には外に何にもたよるものがなかった。――鉄道馬車があり、円太郎馬車があったものゝ、いまの電車のように方々すみ/″\まで四通八達はしておりません。すこし遠みちをしようというとき、知らない土地へ行こうというようなとき……そういうときには嫌でもそれに乗らないわけにはまいりません。――つまりわれ/\、その全盛のときに生れ合したんで、よけいそれだけに無常を感じます。――西巻さんにしても矢っ張それ。