Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
Lesen Sie 春泥・三の酉 (しゅんでい) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.075 Zeichen · 173 Bildschirme
九
……そういうんだ、つまりは。――田代にも三浦にもそれをいった。田代も三浦もその通りだといった。――そこで一つさえ返ってもう一度こゝで西巻金平を売ってみろと二人もそういうんだ。」
「と、矢っ張……?」
ふいとおますは言葉を挟んだ。
「えゝ?」ちろりを取上げようとした顔をかれは上げた。
「ほんとうなんですか、矢っ張、あの新聞は?」
「新聞?」かれは解せない顔をした。
「えゝ、この間の……」
「出ているのか、何か?」
「今度のことが、あなた……」
「今度のこと? ――何だ、今度のことっていうのは?」
「いゝえ、今度の由良一座の解散した……若宮さん座頭の一座の新規に出来た……」
九
「何だって?」思わずかれはおますの顔をみた。「由良一座が解散した?」
「えゝ。」
「で、若宮が座頭だ?」
「えゝ、若宮さんを座頭にしてあとはいまゝでの由良一座の重立った人でかためた一座が出来る。――で、ちゃんと、筑紫さんの名前も出ていれば神代さんの名前も。――小倉さんの名前も、三浦さんの名前も、田代さんの名前も出ていました。」
「と、じゃァ、俺の。――名前も……?」
「いゝえ、入っていません。」
「入ってねえ?」