Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
Lesen Sie 春泥・三の酉 (しゅんでい) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.075 Zeichen · 173 Bildschirme
十
十
が、それにしても三浦や田代はそれを知ってたのだろうか? ――知ってゝ黙っていたのだろうか? ……
会社と手が切れた。みんなもう会社をクビになった。……はじめの晩、そういえば、「菊の家」でもあとの洋食屋でもしきりに三浦はそうしたことをいっていた。――そんなことがあるもんか、そんな馬鹿なことがあるもんかと、田代と二人、意地になってそれをやり返した。昼間もいゝえ、向島で、小倉と三浦にそういわれて心細くなった。……田代はそういった。……何だ、金平さんも知らないのか、金平さんでも知らないことか? ――そんなら安心だ、そんならえばったもんだ、つまらないことをいって余計な心配をさせやァがる。――急にそう田代は気を強くした……
とすれば……してみれば田代は知らないんだ。知らないに違いないんだ。知ってゝそんな芝居の出来る男じゃァない。――そういえば三浦だってそんな男じゃァない。――なるほど理窟はいう、筋はいう、にくまれ口はきく、が、三浦は、肚はごく綺麗なもんだ。菱川のような下手なすいのうばりじゃァない。――もし知っていれば、会社と縁が切れたとはッきりいったくらいだ、そのうえのことだってはッきりそういったに違いない。