Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅんでい

春泥・三の酉

久保田 万太郎

Lesen Sie 春泥・三の酉 (しゅんでい) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.075 Zeichen · 173 Bildschirme

Aozora Bunko

四

しかし、そのときには、もう、年ちゃんは、エプロンをかけて、台所を出たり入ったりしていた。白雨さんは、庭にでゝ、犬にからかっていた。

風の加減か、昨日はきこえなかった波の音がしていた。

――お早うございます。

と、おさわは、いさゝかキマリわるく、縁側に膝を突いた。

――お早う……

と、白雨さんは、元気のいゝ声で

――いゝ天気ですよ。……きょうの三の酉は大あたりだ……

と、問わずがたりにいったので……

四

――何んだ、それで分ったのか、その日、三の酉だってことが……

と、ぼくは、わざと、からかい面にいった。

――あら、そうじゃァないわ。

おさわは、まがおで

――いけない、早く帰らなくっちゃァ。……うか/\してたら、また、帰りそこなう。……そう思ったゞけよ。……だって、どこにも、一ぱい、日があたって、それァのどかだったんですもの……

――で? ……

――で。……でも、矢っ張、何んのかの、お昼すぎになってしまったわ。

――マスクの先生とは、どこで、それから逢ったんだ?

――電車のなかで……

――というと、その帰りの? ……

――えゝ、そう、横須賀線の……

――勿論、まえから知ってるお客なのだろうが? ……