Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
Lesen Sie 春泥・三の酉 (しゅんでい) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.075 Zeichen · 173 Bildschirme
三の酉
一
一
――おい、この間、三の酉へ行ったろう? ……
ズケリといって、ぼくは、おさわの顔をみたのである。
――えゝ、行ったわ。……どうして? ……
と、おさわは、大きな目を、くるッとさせた。
――しかも、白昼、イケしゃァ/\と、男と一しょに、よ……
と、ぼくは、カセをかけた。
――あら、よく知ってるわね。
と、そのくるッとさせた目を、正直にそのまゝ、
――おかしいわ。
と、改めて、ぼくのほうにうつした。
――ちッともおかしかァない。……おかしいのはそッちだ……
――みたの、あなた、どッかで? ……
――そうだろうナ、多分……
――わるいことはできないッて、ほんとね。……けど、どこで……どこをあるいてるのをみられたろう?
――それよりも、一たい、何※なんだ、あれ? ……
――あれッて?
――あの男さ。
――あゝ、あれ?
――顔よりも大きなマスクをかけて、さ。……そんなに、人めがはゞかられるなら、何も、昼日中、あの人ごみの中を、いゝ間のふりに、女を連れてあるかなくったっていゝじゃァないか?
――そうだわよ。……そう思ったわよ、あたしだって……
――それだったら、なぜ止させなかったんだ? ……ウスみッともない……