Japanische Klassiker mit Furigana
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しゅんでい
春泥・三の酉
久保田 万太郎
Lesen Sie 春泥・三の酉 (しゅんでい) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.075 Zeichen · 173 Bildschirme
二
――折からの深く曇った空の下に、むかしながらの常夜燈の、道のどまん中にしら/″\と打捨られたように立っているのが、水の上の鈍く光るのと一しょに、あたりのさまを一層霜げたものにみせた。――玉の井ゆき吾妻橋ゆきの青い乗合自動車がそういっても間断なくその道のうえを行交った……
二
「おや?」
急に田代は立留った。
「何だ?」
その頓驚な声におどろいてとも/″\三浦も立留った。
「牛の御前がなくなった。」
「牛の御前が?」
田代と一しょに三浦も土手の下をみた。――なるほど、そこには注連を張った大きな銀杏のたくましく聳り立っているばかり、鳥居も、玉垣も、社殿も……牛島神社の影もかたちもが存しなかった。――乾いた地膚の、空坊主に、さむ/″\とたゞひろがっているばかりだった……
「何てこッた。」
三浦はいった。――舌打するように。――半ば自分にいうように……
「どうしたんだろう、しかし。――どッかへ引越したんだろうか?」
その尾について田代はいった。
「そうには違えねえ。――いくら何だって土地の氏神の消えてなくなるわけはねえだろうから。」
「焼けたんだろうね、こゝ?」
「いつ?」