Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅんでい

春泥・三の酉

久保田 万太郎

Lesen Sie 春泥・三の酉 (しゅんでい) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.075 Zeichen · 173 Bildschirme

Aozora Bunko

……毘沙門さまのすぐそばなんで帰りに山谷堀についてぶら/\あるいているうち、どうだ、百花園へ行ってみねえか。――小倉君がそういい出したんで……」

「と、あなたと、小倉さんと、それから三浦さんと……?」

「それだけで。――三人だけで。――とにかく小倉君という人は御存じの通りの風流人、――ごみ/\したところよりしずかなところのほうが好きなんで。」

「いまの節では、しかし、百花園……?」

「何にもみるものはありゃァいたしません。ほんとうの冬枯の、薄が枯れて立っているばかり。――人だって、だから、一人も入っておりゃァしません。」

「それには、一トころほど、百花園とあんまり人がいわなくなりましたから。」

「いわないのが当りまえ。――外に行くとこでもないように、あんな面白くもない、不自由ッたらしいところへ行く箆棒があるもんじゃァござんせん。――しずかを通り越して、寂しい、心細い……しまいにはへんな気になりました。――三十分ばかりいて匆々外へ出ました。――で、小松島から蒸汽に乗……ったのはいゝんですが、これがまた、勘定するほどしか乗客がありません。ガランとしております。――窓のそとをみるとさむ/″\と……そういってもさむ/″\水が流れています。