Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しゅんでい

春泥・三の酉

久保田 万太郎

Lesen Sie 春泥・三の酉 (しゅんでい) von 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.075 Zeichen · 173 Bildschirme

Aozora Bunko

五

――と、ある日、矢っ張その用で二長町の芝居へ行き、いつもの伝に仕切場……とはいいません、このごろじゃァどこでももう事務所……ずっとその事務所へ通ろうとすると、もし/\どこへおいでになります? ――いきなり女給さんに木戸を突かれたじゃァござんせんか。」

五

「だって、それは?」

「随分、いゝえ、分らない話。――が、あの男のこってす、涼しい顔で、一寸、えゝ、事務所まで。――と、あなたさま、どなたでいらっしゃいます?」

「どなた?」

「遠州屋ですよ、わたし。――そういったらいかに相手が新米の女給さんでも分るだろう。……分らないまでも誰か分るものを連れて来るだろう。……そう思ったのが大へんな間違い、遠州屋さんてどちらの遠州屋さんでいらっしゃいます?」

「戯談……」

「しみ/″\、遠州屋、あとで愚痴をこぼしました。――あんまり情なくって俺ァ泪も出なかった。――発心して俺も君たちの真似をするよ。――たのまれたってもう茶屋なんぞはじめるもんか。」

「それァそうです。――遠州屋さんのそう被仰るのは当りまえです。……いかに昨今の、ものを知らない相手だって、仮りにも二長町でつかわれている人間が遠州屋さんを。