Japanische Klassiker mit Furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme
淡路島でシロトアゲというのもまたそれで、正月にこれを製して神棚や仏壇に、の葉をもって注ぎかける。能登の穴水地方では是を人根(ニンゴン?)と謂うそうである。旧九月十五日の地蔵講の日に、七寸ほどに切った藁を膳に載せ、是に白米を摺って糊状にしたものを注いでいる。これを人根というのは珍しく、またどうしてそういう事をするのかも私に判らぬが、考えてみなければならぬと思っている。福島県の平市附近の村では、同じものをオノリと謂っている。是も九月秋収後の幣束祭に、こしらえて餅とともに神に供える。祭の後には烏が来てこれを食うことになっている。烏に神供を投げ与える風は、正月に東北一般に行われているが、処によっては秋にも同じ事をするのである。色の黒い男が白足袋をはいているのを嘲って、「烏がオノリを踏んだような足をしている」などという諺も、この事実を知っている者には格別におかしいのである。
信州川中島地方で二月八日に作るチウギ餅なども、餅とは謂っても至って柔かなものだと見えて、この日は子どもがそれを持って行って、道祖神の石像の顔に塗りつける。土地により甘酒地蔵もしくはモロミ地蔵と謂って、路傍の地蔵に甘酒やモロミを注ぎ掛け、臭くて鼻をつまむようだが、洗い落そうとすると罰が当るなどというのも、材料はちがうが同じ信仰であった。