Japanische Klassiker mit Furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme
一一
つまり妻が夫の家に入るということと、婚姻の成立とは昔は全然別のものであったが、後々その嫁引移りの際に大祝宴を開かぬ婚姻は、さも不合法のもののように考えられることになったのであって、仮にもし必ずそういうものだったら、昔は本式の婚姻は無かったと言わなければならぬわけである。
一一
婚姻のごとき古くからの人の大礼ですら、いつとなしに是だけ変化したのである。その原因は二つは少なくとも算えることができる。一つは我々の謂う遠方婚姻、村の外との縁組の始まったことで、是には交通の改善が条件であった。是は武家上流の間にまず始まって、後追々にごく普通の家までが、部落内だけで婚姻をするには及ばなくなった。そうなってくると、第一に夫がしばしば妻の家にくることはできない。嫁も行ったらまた帰ってくることがむつかしい。それで箒で掃き出したり、門口で送り火を焚いたり、まるで葬式のようなことをして娘を送り出し、泣いて出て行くようなことにもなったのであるが、それよりももっと大きなもう一つの原因は、その娘の労働を里方で宛てにしなくなったことである。女がよく働く土地では、親は惜しんでなかなか身柄までは聟の家へ遣ろうとしない。