Japanische Klassiker mit Furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme
一〇
頻りに伝わったことを、想像してみればよくわかる。
一〇
我々にはまだおおよそは判っていても、若い諸君には追々に不明になって行く生活も多いことと思う。他にその説明をする方法が無いとすれば、早く気づいてあべこべに是を史料とすることができるのである。二三の実例を『七部集』以外のものから引いてみるならば、
こんにやくの色の黒きも珍らしく 沾蓬
祭の末は殿の数槍 曾良
見るほどの子供にことしいもの痕 芭蕉
田舎の祭だから、蒟蒻の色が珍しく黒いと附けたところが俳諧である。その祭を見に出てくる子どもが、どれもこれも疱瘡の痕がある。今年は大分流行ったなというのであるが、是なども種痘が普及してしまうと、もうこの句によらなければ思い浮べられぬ光景であり、またその祭の行列の一番後には、殿様から附けられた多くの槍持ち、今なら儀仗兵に当るものが行くというので、それを見物に出て来たあばたの少年少女の姿が、一層活躍するのである。
小地頭の前に並み居る萩芒 扇車
終りの知れぬ下手の舞舞 以之
舞まいは越前幸若などと同系統の、民間の古風な伎芸で、一派の家筋の者がこれを生計としていたのが、能や歌舞伎に押されて亡びてしまった。