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Japanische Klassiker mit Furigana

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もめんいぜんのこと

木綿以前の事

柳田 国男

Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme

Aozora Bunko

生活の俳諧

一

しかし鹿の角に破られるような小屋の中でも、なお多くの流人は島の御伽を見つけて共に住んでいた。八丈ではその女を水汲みと呼ぶ習わしであった。それが男の懐旧談を聴いてもらい泣きをしたという、しおらしい情愛を咏じたものと思われる。是がもし何人の実話でもなくて、単に作者の作意に過ぎなかったとすれば、その想像力はむしろ驚くべきであった。というわけは多くの島の流人は、いつもそういう同情の深い水汲みを見つけて、それをたった一つの慰藉として活きていたのが事実だからである。

生活の俳諧

一

国の文芸に対する我々の態度が、今まではあまりにも単純で、したがって一生の間、まるまる是と関係なしに暮してしまう人がちっと多過ぎた。出来ることならばこれを改めるか、少なくとも文芸の見方の、新しい種類を附加える必要がある。こういう趣意のもとに、私は日本の文学業績の中で、おそらく世界に類例が無いと思う俳諧なるものの社会的地位、是と我々通常人との交渉が、特にどういう側面において意義が深いかを考えてみたい。

最初に一応御断り申しておきたいことは、私は熱心においては何人にも譲らざる俳諧の研究者、殊に芭蕉翁の、今の言葉でいうファンであるが、自分では是まで俳句なんか遣ってみようとしたことがない。