Japanische Klassiker mit Furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme
今でも海岸の村などに古い形の婚姻方式が残るのはそのためで、未来の主婦権などには換えられない、大切な里方の労働力であったからである。それを聟方に必要があって、是非とも早くつれて行こうという際には、後二年なり三年なりの間、娘が働いて家に入れるくらいの財物を、結納とともに送ってくる処も北九州の島にはある。隣国支那でいう聘金が、今までの養育費を償う意味であるらしきに反して、此方は是から入用なものを貰って行くかわりである。いずれもこれを人身売買と一つに見ることはひどいが、とにかくに家が失うものを補填する意味はあった。だから家に置いても格別させる用は無く、ただ将来の地位を安全にすることが主になると、さあさあ早くお連れ下さいと、里方からかえって輿入れを急ぐようになる。若い女性としてはあまり名誉な話ではなかった。つまり家にいても食べるだけで、格別役に立たぬことを意味したからである。貰う方としても、ちゃんと現主婦が達者で働いている所へ、言わばその王座を揺ぶる者がくるのだから、めでたいとは言い条、一方には不安でないこともない。それに家によっては家風の差が大きかった。