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Japanische Klassiker mit Furigana

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もめんいぜんのこと

木綿以前の事

柳田 国男

Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme

Aozora Bunko

一

こういう経験こそは頒たなければなりません。それ故に私たちは、自分自分の疑惑から出発する研究を、些しも手前勝手とは考えておらぬのみか、むしろ手前には何の用も無いことを、人だけに説いて聴かせようとする職業を軽蔑しているのであります。現在の日本に自国の学問が無ければならぬということを、私などはこういう風に解しております。俳諧に残っているのは小さな人生かも知れませんが、とにかく今までは顧みられないものでありました。事は過去に属しつつも、依然として新しい知識であります。そうしてまた現在の疑惑の種子であります。是からの日本に活きて行こうとする人々に、おふるでないものをさし上げたいと、私だけは思っているのであります。

昭和十四年四月

木綿以前の事

一

『七部集』の附合の中には、木綿の風情を句にしたものが三カ処ある。それから木綿とは言ってないが、次の『炭俵』の一節もやはりそれだろうと私は思っている。

分にならるる娵の仕合        利牛

はんなりと細工に染まる紅うこん    桃隣

鑓持ちばかり戻る夕月        野坡

まことに艶麗な句柄である。近いうちに分家をするはずの二番息子の処へ、初々しい花嫁さんが来た。