Japanische Klassiker mit Furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme
少なくとも古く行われているから保守しなければならぬというものなどは、決してそう沢山には無いのである。
おかしい話は話しきれぬほど色々ある。例えば皆さん御存じの女の内足の風である。前年日本に遊びにきた某仏国人のごときは、私に向かって頻りにこれをほめ、あれ一つ見ても日本婦人の優美なる心性が窺われるとまで激賞した。ところが桃山時代の屏風絵、岩佐又平などの写生画は勿論のこと、西川・菱川の早い頃の作を見ても、女はみな外足でサッサと歩いている。多分二重に腰巻をして上の方が長く、且つ麻などのようなさらりとした材料を使わなくなった結果、足にからまって裾がうまく捌けなかった故に、こんなあるき方を発明して、それが美女の嬌態と認められることになったのかと思う。腹式呼吸法を始めた岡田虎次郎さんは、生前久しく私の家へも来て、老人や女たちを集めてよく静坐の講釈をせられた。その説の一つには、柳田さん、日本魂と日本人の坐り方とには、深い関係があると私は思うがどうか。もし畳というものが無かったら、日本人の勇気気力は今日のごとく修錬せられていなかったろうと考えるがどうかと尋ねられる。