Japanische Klassiker mit Furigana
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もめんいぜんのこと
木綿以前の事
柳田 国男
Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme
誰か今に考えてみてくれることになっているのか知らぬが、汽車に乗ったりこういう集会に出てみたりすると、右も左もキンキンと金歯だらけで、人をして黄金国の黄金時代の眩惑を感ぜしめる。美しくて結構は結構だが、こうまでしないと歯が役に立たぬように、してしまった原因には不審がある。
独り副食物のみではない。日本人とは切っても切れぬ因縁のある米の飯、是すらも夙に変化してしまっている。今我々の食うのは、昔の日本人のいう飯ではなく、粥すなわちカタカユというものである。イヒは甑でふかすこと今日の赤飯のごとくであったが、そんな方法をもって飯を製することは節供の日ばかりになった。是もハガマすなわち鍔のある釜や、竈の作り方の変化と関係のあることは確かで、軍陣その他の労力の供給法にも由るであろうが、主たる原因は趣味の移動であり、おそらくはまた白く柔かなるものを愛するの情であった。シャモジなども我々の眼前において、どしどし形を改めて行くのである。現在では飯をよそうのはシャモジ、汁を掬むものはシャクシと区別するに至ったが、勿論もとは一つである。杓子顔と謂って、人は花王石鹸の広告のごとき顔をそう形容するが、今日の板杓子は平面なるヘラである。