Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もめんいぜんのこと

木綿以前の事

柳田 国男

Lesen Sie 木綿以前の事 (もめんいぜんのこと) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 177.586 Zeichen · 348 Bildschirme

Aozora Bunko

二

二

いつ頃から然らばこのダンゴという語が始まったかというと、それだけは湛念に記録を見るよりほかはないが、そんな手数をかけるがものはあるまい。近頃見た本では文禄頃の『鹿苑日録』の中にはあった。京都では大抵あの頃くらいが始めで、地方はもっと後と見ておいてそう大きな誤りもあるまい。昔話の中では団子を題材にしたものが少なくとも二つはある。一つはおろか聟の話で、嫁の里に行ってそれを御馳走になり、名を教えてもらって還る途すがら、溝を飛び越えた拍子にその掛声と取ちがえ、ピョイトコサ(等々)を拵えろと嫁に命じ、それを知らぬというので怒って火吹竹で打つ。まア団子のような瘤ができた。おうそのダンゴよというのが落ち。いくら馬鹿聟でも今なら暗記にも苦しむまいし、また自宅では食ったことがないとも言えまい。おおよそこの名称が数奇としてもてはやされた時代の、作り話だということは察せられる。それからもう一つ、爺が団子を食べようとして取落すと、ころころと転がって鼠穴へ入ったのを、後から追掛けて尋ねて行くという話で、団子待て待てどこへ行く、地蔵様のそばまで、などという問答さえあるからふざけている。