Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
が――それも長い事ではない。二年目の春であった。別当蓮忍は、彼をよんで告げた。
「遮那よ、お許も、はや十六とはなったぞよ。ことしは髪を剃さねばなるまい。出家は嫌いと云いおるそうじゃが、生れてより持って出た宿命、生い立ち、今の時勢など、もう弁えがついたであろう。観念して仏門に入り、弥陀のお弟子となって、荒びた心を捨てい。よいか」
「はい……」
「何を泣くか。十六ともなりながら」
「お……お師匠さま」
「どうした」
「わかりました。けれど、悲しゅうございます」
牛若は左の肱を曲げて、顔へ当てがいながら、泣きじゃくった。
「――出家すると、この黒髪にも、こんな美しい袂の着物とも、別れなければなりませんか」
「分りきったことを。いつまでお許は稚子でいる気か」
「おねがいです。鞍馬の山祭りまで待ってください。五月が過ぎたら出家いたします」
「なぜ、その前は、嫌というか」
「祭りの日には、たくさんな参詣人が、お山へ登って参ります。その時、人に見られるのが辛くてなりません。毎年のように、稚子輪髷に結うて、もう一度、綺麗な着物を着て見とうございます。……今年っ限りでかまいません。お名残りにです……お師匠さま。