Japanische Klassiker mit Furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
夏隣り
一
浄海入道は、それを知ると嚇怒して福原から京都に入り、以仁王を土佐へ流さんものと、武将に命じて、御所へ向わせたが、何ぞ知らん、命をうけた武将の中に頼政の二男兼綱もいたのである。
彼はまだ、老将頼政が、密謀の張本人とはゆめにも気づかずにいたのである。――単に、入道はかくの如く半面はお人好しだったというだけでは当らない。彼の頭脳はその行状ぶりの示すが如く、もうその頃から熱病に罹っていたものとしか考えられない。
夏隣り
一
「政子。――政子」
もう妻として呼び馴れている頼朝の声であった。
配所の晨は相変らず早い。良人が日課の読経をつとめている間、新妻は、居室を清掃し、釜殿にまで出て、いそいそ立ち働いていた。
そこも済み、良人の読経も終る頃と、彼女は、帳の陰にかくれて、朝の身化粧をしていた。
「お召でございますか」
四月の朝の清々しさに、清らかに掃除された室、そこに見る新妻の顔は、頼朝の眼にも、まだ朝ごとにめずらしく、そして美しく思われた。
「――急ではあるが、今日立って、お許はまた、伊豆山の走り湯権現に、しばらくの間、身を潜めていやれ。住居は、法音比丘尼の室がよかろうが、身の警護は、きのう使いに書面をもたせ、すべて阿闍梨覚淵どのに、おたのみ申してある。