Japanische Klassiker mit Furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
四
「いいえ」
「では、なぜ不服か」
「決して、不服などと」
「真っ先に、そちなどが、歓んでよいはずなのに……その当惑そうな顔いろは何事だ。……いや、何か、わしに秘している事があるな」
「滅相もない」
「いいや、そう見える。義理の子ゆえと庇いだてなどする事は、かえって彼女の為にもよくないぞ。良人のわしへも、それが貞節などと考えたら大間違いだ。……よしよし、お前にはもう訊ねん。政子の兄を呼べ。宗時をこれへ呼べ」
時政の声は、勢い大きくなって来た。やがて、総領の宗時は、呼ばれて、父の前に坐った。――そして父の難しい顔いろと、義母の容子を見くらへながら、
「何か、ご用ですか」
と、軽く訊ねた。
四
「そちに訊くが――」
「はい」
「わしの留守中に、政子に何ぞ変ったことはなかったか」
「変った事と云いますと……?」
「たとえばだな」
時政は、父として、言い難そうに、ちょっと口を歪めた。
「――妙齢だからな、もはや彼女も」
「あ。妹の行状などで」
「そうだ」
「――義母上、その事に就いて、何かあなた様からも、おはなし申し上げたのですか」
宗時は、あっさり云った。
「……い、いいえ」
牧の方は、困った容子で、微かに顔を振った。