Japanische Klassiker mit Furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
三
「高綱はまだ通らぬな」
「やがて後より見えられましょう」
「……よし」
顎を振って、また草のなかへ坐りこんだ。
景季の顔いろは穏やかでなかった。
「あれ程、自分の所望したものを。……賜わらぬはぜひないにしても、佐々木の末弟などにおやりなされるは、当てつけがましい。ご偏頗なお仕打でもある」
死場所へゆく途中である。さなきだに血は荒ぶる。激し易くなっている。
「人の口端にも笑われぐさだ。恥ある侍ふたり刺し交えて、鎌倉殿へ、ご偏頗なお仕打のお返しをして見しょうか。……いや待て。それとも高綱めが、生※(「口+妾」、第4水準2-4-1)の事を知って、殿を巧みに泣き落したのかもしれぬ。とすれば、殿をお恨みしては相すまぬ。高綱をこそ」
諸将の部隊が過ぎてゆく。
景季は、待ちかまえていた。
そのうちに、佐々木隊が通った。高綱のすがたも馬上に見えた。
「おううい。佐々木殿」
景季が呼びとめた。
高綱は、列を脱けて、歩み寄って来た。
「やあ、其許にも、このたびは源九郎様の手について、宇治川へ懸られるそうな。ひとつご陣じゃ、よろしく頼む」
「むむむ」
先の顔いろが明るすぎるので、景季は、自分の不快な眉や唇を一応処理して、笑いをにじみ出しながら云った。