Japanische Klassiker mit Furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
三
――まず、山木殿の云い分から伺おう」
すると山木方の人数から、年長けた侍が前へ進んで、
「主人兼隆の命により、伊豆山権現に匿われおると聞く、政子どのを受け取りに参ったのでござる。――然るに、それなる雑人輩の勢が、弓矢をならべて阻むので、やむなく一戦に及ばんとしたまでの事」
と、云い立てると、
「それは近ごろ奇怪な沙汰を聞くものだ。伊豆山権現に、政子どのが潜みおるとは、誰が云った。眼に見た事か、証拠でもあることか」
と、事の理非は措いて、全然一方的に加担した口吻で反問した。
そこへまた、誰が告げたか、伊豆山走り湯の僧兵が一群れ、また一群れと何十人も馳せつけて来て、
「われわれが北条殿のむすめを匿うているなどとは、聞き捨てにならぬ沙汰だ。あらぬ云い懸りをして、山領を踏み荒さんとなれば、われらにも覚悟がある」
と、息まいた。
時経つほど、山木勢は、不利にもなるし、最初の意気ごみも殺がれて来た。下手をすれば、退路を断たれる惧れもある。それにまた、中央でも地方でも、僧兵を相手に喧嘩して、利のあった例はない。
「もういちどよく山木判官の肚を慥かめてこい。弓矢にかけてもというならば、いつでも立会うてくれる」