Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「……それを、あんなに?」

吉次には、不可解であった。侍の心理にあきれ果てた。

「死に行くのが、あんなに欣しいものか」

ゆうべはまだ疑っていたが、今朝は暗いうちに起き、いそいそと、時折、笑いさざめいたりして、この半年、憂鬱そのものだった兄弟が、まるで今日大空へ誕生でもするように嬉々としている気配なのである。

余り楽しげなので、吉次は小癪にさわって、自分も寝床をあげ、妻戸をひらいて、縁へ立出で、

「いよいよお立ちですかな」

と、そこをさし覗いた。

若い者たちの血気の愚を、もう匙を投げて観ているといったような、彼の容子だった。

「おう吉次か、今、声をかけようかと思っていたところ」

兄弟はすでに鎧を着こみ、太刀を横たえた、清々しげな顔をならべていた。

すぐ起って、

「さらば。そちも健固に」

と、方丈へも挨拶をし、駈け出すように、山門から出て行った。

陽が高くなる。

吉次はいつもの如く朝飯の膳についた。まずそうに箸をおく。少しぼんやりした顔つきである。

「…………」

小半日、陽なたの縁で、膝をくんでいた。

北側の藪のむこうに、乱立している卒塔婆や墓石が見える。冷たい陽かげの静寂が、妙に彼の心をひく。