Japanische Klassiker mit Furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
やぶ椿
一
「わしは、左馬頭が三男、右兵衛佐頼朝という者です」
と、尋常な声で答えた。
やぶ椿
一
学僧には若い人が多かった。
わけて、この京都八坂郷の清水寺は、東大寺系なので、南都の学生寮もあり、夜になって一所に集まると、論議や談笑で、正月の夜も変らなかった。
「樗の木を見に行ったか」
「樗の木とは」
「五条の獄舎の門前にある巨きな木だ。義朝の首がさらしてある。後からまた、子の義平の首も並んで梟けられた」
訊かれた者は、
「いや、見ぬ」
と、眉をひそめた。
すると一人が、
「いや、おとといからもうないぞ。いつのまにか、葬ったものとみえる」
「盗んだのじゃろ」
「誰が?」
皆、眼をみはる。
「云うまでもない。源氏の残党がじゃ。朝夕、六条の館に伺候し、頭殿と仰いでいた一族だったら、見ていらるる事か」
「そうよな」
あわただしい時勢の変相が、一瞬、若い学生たちの心を通りすぎた。
「罰じゃよ。天の刑罰だ」
抛って投げるように、誰かが呟く。――と、その者を睨め返して、
「何でそう云うか」
と、詰問する者がある。
「――何でと問うも愚かだ。三年前の保元の乱の折に、義朝は自分の父為義を見殺しにしたじゃないか」