Japanische Klassiker mit Furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
二
それにまた、義朝にとっては、嫡男義平よりも次男の朝長よりも、最愛な御子であったものを――と人々はこのまま千丈の雪に埋もれようとも、探し出さないうちは前にも進めぬ心地で果てなく立ち迷うていた。
すると義朝は、
「もうよい。先へ急ごう。わしが子だ、生きるものなら独りでも生きて行こう。死ぬものなら死ね、ぜひもない」
云いすてて、心づよくも、黒桃花の手綱を持ち直し、伊吹の麓を見て歩みだした。
二
――捨てて行け。
義朝の一語には、誰も彼も、意外な気もちに打たれた。
常日頃は、子に甘すぎる頭殿よと云われる父親であったのに。
わけて佐殿は、目の中へ入れても痛くないほどな可愛がりようで、こんどの合戦に際しても源家重代の「源太ヶ産衣」という鎧と、「髯切」の太刀の二品をば、嫡男の義平にも次男の朝長にも与えずに、
(初陣なれば――)
と、わずか十三にしかならぬ三男の佐殿に譲られたほどな愛し方であったのである。
その御曹司のことゆえ、さだめし義朝が先になって、
(後へもどろう)
とか、
(手分けして尋ねよ)
とか、狂おしいばかりな下知をなさるかと思いのほか、吹きすさぶ雪より冷たく、