Japanische Klassiker mit Furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
案ずるより生むが易いといった体で、先刻からの憂いが深刻だっただけに、彼は相形をくずして、子に甘い半面をむき出しに見せていた。
「嫁ぐと、心をきめましたからには、少しも早く嫁ぎとうございます。……それと、わたくしは、きょうまでも、なおお父上様にご苦労ばかりかけて来たように、生れつきの吾儘者ですから、嫁いでも、この吾儘だけは、おゆるし下さいますかどうかを、もう一度、山木判官様へ、念を押して、お訊ねおき下さいますように」
すると、時政は、自分が先の聟でもあるように、手を振って云い断った。
「いや、その事は、親として、わしからも幾度も云った。――事実そなたは、吾儘でない方ではないからな。――が山木判官が云うには、そこがむしろ、ご息女のよい所、大まかな明るいご性質と、わし以上、そなたの短所も承知の上のはなしだ。なお、念はおしておくが、気に懸くるには及ばぬ。……ははははは、嫁君とても、生ける観世音ではないからな」
八
時政は、腰を上げた。
さがしても苦労らしいものはない幸福な父親という顔になって、
「政子。もどろう」
と、歩み出した。
政子は、まだ御堂の縁にあった。