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Japanische Klassiker mit Furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme

Aozora Bunko

「お許、何を云う」

軍事を語る時の彼は、時政だからとて舅御と崇めていなかった。

「諸豪のうごきと、よく云わるるが、今となっては、誰が参らずとも、何者が敵と立とうとも、頼朝の方針に変りあろう理はない。たとえ身一人となっても、突き進む以外の道を、頼朝は知らぬ」

この頃の彼は、云い出したら肯かなくなった。旗挙げ以後――殊に石橋山以来、彼の温容な貴公子風は、すっかり強靱な皮膚と信念に固められて、時によると、時政でも土肥実平でも、頭から叱りつけたりする。そうした烈しい叱咤は、以前の彼には、まったくなかったものである。

「――では、大勢は人目立ちますれば、五、六騎ほどお連れ遊ばして、密かに、お体だけを先にお移しあるおつもりで、上総介の館へお越しあっては如何でしょうか」

時政も、遂に、妥協してそう云い出したので、何分にも蟄伏している退屈にたえない頼朝は、その夜のうち仮住居の寺院を立って、安房から上総路へ向った。

二日目の晩である。

然るべき家も見当らないので、大きな沼の畔りの百姓家に泊めてもらった。すると真夜中に喊の声だ。――供についていた三浦荒次郎義澄は旅装も解かず、裏の藁小屋の柱に倚りかかったまま、不寝番していたので、すぐ駈け出して見た。