Japanische Klassiker mit Furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme
「耳ががんとしておった。言葉じりなどとるな。わしはかっとする性だから。――がしかし、云わんばかりに罵った」
「罵りません」
「面倒だ。枝葉はよせ。口では、そちに敵わん。――だが重ねて申すぞ。たとえ母御前の尼が、どう仰せあろうと、ならぬ事はならぬ。もってのほかだ。――頼朝の生命を助けてとらすなどという事は」
「…………」
「和郎にわからんか。つもっても見い。――あれは義朝の三男じゃぞ。上には次男に朝長あり、長男義平があるに、その兄弟頭をさしおいて、父の義朝がわざと三男へ伝家の『髯切』の一刀に、源太ヶ産衣をくれておるところを見ても、頼朝という童の非凡は知れておるではないか。――子を観ること父にしかずだ」
「が……父君」
「だまれ。待て」
押えてまた、朗吟でもするような嘆をこめて、
「子を観ること父にしかずだっ――。重盛、そちもすぐわかってくる」
「さればこそ、そこを憐れと、禅尼様にも」
「何もかも、尼御前のせいにして云うが、由来、若いくせに仏いじりのみして、仏家の真似の好きなのは、そう云う和郎自身だ。――輪廻とやら因果とやら、やれ菩提の仏心のと、生かじりの智慧と小慈悲を、生きた世間へ、そのまま用いてみたいのが、和郎の本心とわしは観る。