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Japanische Klassiker mit Furigana

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くいどうらく

食道楽

村井 弦斎

Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

と返事する。お登和の言出す事は少しく案外なり「兄さん、今のお話を聞きますと世中に誠実な人は滅多にないようですがマサカあんなでもありますまいね。大原さんばかりが誠実で外の人は皆んな不誠実というような事はありますまい。私にはどうも小山さんのお話がよく解りませんよ」と誠実の問題に疑問あるなり。兄は無邪気なる妹の心中さこそあるべしと頷き「なるほど、和女はまだ世中の事を知らんからそう思うのも無理はない。しかし段々社会の事を経験すると分るが、今の世人に一番欠乏しているのは誠心実意だ。といって今の世人が誰も彼も悪意邪念を持っている訳ではないが昔しからの習慣上不誠実という事に馴れて知らず知らず悪徳を平気で行う。和女が今まで人に逢って見ても悪人らしい人は一人もあるまい。親しく交際うと誰でも善人に違いないがさてその善人が社会に向ってする事はどうだというのに物を約束してもなかなか当にならず、事が起ると他人の迷惑を顧みないで自分の勝手ばかりしたがるし、商売人の品物を買っても確実と信用すべき者は殆どなし、公共事業に従事する者が更に公共の利益を図る心がない有様だ。外の事はともかくも女の身として観察しても、まだ結婚しない男子は妙齢婦人の機嫌を取ろうと思ってさも親切らしく熱心らしく愛情を濺ぐような顔して、一旦その人と結婚した後は酒道楽