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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

下のかたより長福寺の小坊主昭全、十四五歳。足音をぬすんで忍び出で、木戸の外より内を窺いいる。おいよはやがて心づきて見かえる。)

おいよ そこにいるのは……。

(昭全は返答に躊躇していると、おいよは立って縁さきに出づ。)

おいよ おまえは長福寺のお小僧さんではないか。何でそこらに立っているのです。

昭全 (急に思案して。)実はこの……。(柿の木を指さす。)柿の実を取りに来ました。どうぞ堪忍してください。

おいよ 柿の実ならば、おまえのお寺にも沢山に生っているではないか。(疑うようにじっと見て。)ほんとうに柿の実をぬすみに来たのですか。

昭全 どうも済まぬことをしました。堪忍して下さい。

(云いすてて、昭全は逃るように下のかたへ立去る。おいよは猶もじっとその跡を見送る。風の音。向うより田原弥三郎、三十四五歳、以前は武士なれど、今は浪人して猟師となっている姿、大小を横えて火縄銃をかつぎ、小鳥二三羽をさげて出づ。)

おいよ おお、戻られましたか。きょうはどうでござりました。

弥三郎 いや、相変らずの不首尾で、山又山を一日かけ廻っても、狼の足あとさえも見付からない。(持ったる小鳥を指さして苦笑いする。