Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme
文の使い
一
」
「しかと左様かな。」
「はて、入り代り立ち代り煩さいことじゃ。日は暮るる、京までは余ほどの路のりはある。もうよい程にして帰られい。」
兼好は彼にもうしろを向けてしまった。侍は忌々しそうに薄暗い庵の奥を睨んでいたが、やがて鞭をとり直しておどすように言った。
「御坊、万一それが偽りであると知れたら、それがし重ねて詮議にまいるぞ。よいか。」
「よい、よい。いつまでもまいられい。」
相手は平気で澄ましているので、侍も張合い抜けがしたらしく、そのまま鞍の上にひらりと跨ってひと鞭あてて真っ直ぐに芒原を駈けぬけて行った。
姫が誰にも知らさずに屋敷をぬけ出たので、前の若侍がそのゆくえを尋ねて来た。それは別に不思議でも何でもなかったが、あとの侍の口ぶりには何か子細があるらしくも思われた。前後の侍はいずれも自分の名を明かさなかったが、前の侍が采女ということは、後の侍の口から洩れた。しかしその采女の身の上にどういう子細があるのか、兼好は深く考えて見ようともしなかった。彼は粟の粥を焚く方に忙しかった。
文の使い
一
京の堀川にある高師直の館では、姫のゆくえが俄かに知れなくなったので、上下一同が不安の眉根をしかめた。