Japanische Klassiker mit Furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme
「だんだんの御意見でござりまするが、この儀ばかりは……。」
「ならぬか。お身も父上を見習うて、思いのほか頑固に相成ったな。」と、師冬の薄い口髭は怪しくふるえたが、その興奮する神経を努めて押し鎮めるようにしずかに言った。「しかし今一度思案して見い。余の儀とも違うて、早速に返答のならぬ筈のことを性急に催促したはわしのあやまりじゃ。これは一※(「日+向」、第3水準1-85-25)半日を争うことではない。あすにもあさってにも、ゆるゆると思い直して見い。」
言いかけて、彼はにわかに耳を傾けた。門前をさわがしてゆく人馬の音が、まだ吹きやまない木枯しの中にひびいたかと思うと、家来の一人があわただしく駈け込んで来た。それを待ちかねたように師冬の方から声をかけた。
「なんじゃ。あの物音は……。」
「塩冶の館へ討っ手かと存じまする。」
師冬は腹立たしげに舌打ちした。彼は家来の顔を睨んで、一人もみだりに門外へ踏み出してはならぬと叱るように命令した。
「あれほど申し聞けて置いたに、父上のおそばにいる者共、迂濶に立ち騒ぐとは何たることじゃ。就いては小坂部。いつまでもここに長居もなるまい。