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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

男は一種の口笛を吹くと、それに応えるようにほうほうという啼き声がきこえて、又もや一羽の鳥がどこからか飛んで来た。闇に光っているその大きい眼を見て、それが梟であるらしいことを小坂部は覚った。

梟は男の右の肩に止まった。こうした奇怪な動物に迎えられて、男は更に三階へのぼってゆくと、天井のあたりから黒いような獣がひらりと飛び降りて来て、男の足もとに絡み付いた。その啼き声を聞いて、それが猫であるらしいことを小坂部は覚った。それから四階五階六階と登ってゆく毎に、何かしらぬ出迎えをうけたが、闇は深いのでその正体は判らなかった。十階の頂上まで登りつめて、もう疲れ果ててしまった小坂部は、倒れるように小膝をついてそこにうずくまると、男は細い蝋燭をとぼした。その弱い光にぼんやりと照らし出された部屋の四方は、一面のあつい壁であるらしく、正面には一種の大きい厨子のようなものが取り付けられて、その下には白く黄いろい石のようなものが五つ六つ積みかさねてあった。男は片手に蝋燭をかざしながら、その厨子の前にひざまずいて、うやうやしく礼拝した。なんだか知らないが、小坂部も思わず頭を垂れた。