Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
「友さん、友さん」
お絹は次の間に控えている米友を呼びましたけれども返事がありませんから、
「どうしたんだろう、疲れて寝込んでしまったのかしら」
と独言を言っている時に、与力同心の部屋に宛てられたところで哄と人の笑う声がしました。それと共に、
「笑っちゃいけねえ」
という声は米友の声であります。
「もうお役人衆の傍へ行って話し込んでいると見える。罪のない人だけれど、また間違いを起さなければよいが」
大勢を相手にしきりに話し込んでいる米友を呼び出すも気の毒だと思って、お絹は自分でその手紙を主人のところへ持って行こうとして廊下へ出ました。
お絹が廊下へ出て見ると、あの部屋の障子には幾多の侍の頭と米友の頭がうつって見えます。障子に映ってさえ米友の頭はおかしい頭でありました。よくあの頭で人中へ出られるものだ、せめて頭巾でも被って出るか、そうでなければ、かなり頭の毛が生え揃うまで人中へ出ないようにしていたらよかろうにと思いました。ところが米友はいっこう平気で、
「一生稽古したって駄目な奴は駄目なんだ、俺らなんぞは木下流の槍の手筋を三日しか稽古しねえんだ、木下流とも言えば淡路流とも言うんだ、三日稽古をしてその秘伝をすっかり呑込んでしまったんだ」