Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
それ故にがんりきとお角とが仲よくして歩くところを見ると嫉けて仕方がありませんでした。
有体に言えば今のお絹は、男が欲しくて欲しくてたまらないのであります。男でさえあれば、どんな男でも相手にするというほどに荒んでくることが、このごろでもたえず起って来るようでありました。
「あの、がんりきの百蔵という男、御苦労さまにわたしたちを附け覘ってこの甲州へ追蒐けて来たが、あの猿橋で、土地の親分とやらに捉まって酷い目にあったそうな、ほんとにお気の毒な話」
とお絹は、がんりきのことと、それが猿橋へ吊されたという話を思い出して、ほほ笑み、
「七兵衛が助けると言って出かけたが、ほんとに助かったか知ら。酔興とは言いながら、かわいそうのような心持がする、何のつもりか知らないけれど、わたしを追蒐けて来たと思えば、あんな男でもまんざら憎くはない、命がけで、わたしの後を追蒐けて来る心持が可愛い」
今となっては、たとえ無頼漢であろうとも、自分に調戯ってくれる男のないことが淋しいくらいでありました。
こんなことをいつまで考えていても際限がないと、お絹は浴衣の襟をつくろってそこを立とうとした時に、縁の下の笹藪がガサと動いて、幽霊のようなものが谷川の中から、煙のように舞い出した。