Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
「ばかにしてやがら」
その一封を横の方から突いてみました。突いてみたのはなにも、その中にどのくらい入っているかというのを試したわけではありません。あんまりばかばかしいから、小突き廻してみたのであります。米友は、これらの連中の譜代の家来でもなければ臨時の雇人でもない。甲州へ行こうというのは、必ずしもこの人の附添が目的なのではないのです。これは行きがけの駄賃のようなもので、米友はお君に会いたくてたまらないから、それで甲州へ行く気になったものであります。
この附添は頼んだものでなくて頼まれたものである。いつ断わられたところで敢て痛痒を感ずるわけではないけれど、ここで断わるというのは、あんまり人をばかにした仕打ちであると思いました。それだから米友は、
「勝手にしやがれ」
と言って、またその金一封を小突き廻しました。金一封を小突き廻したところで始まらないのであるが、この場合、米友の癇癪のやり場としては、どうしても眼の前の金一封が的になります。
「ばかにしてやがら、こんな金なんぞ要らねえ」
米友はいったん、左の方から小突き廻した金一封を、今度は右の方から小突き廻しました。