Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

「幸内さんは、そんなにお嬢様のお気に入りなんですか」

「ええ、幸内さんの言うことなら、お嬢様は大抵のことはお聞きなさいます、だから人が幸内さんとお嬢様とおかしいなんぞと蔭口を利きますけれど、まさかそんなことはありゃしませんよ」

まだあけていた障子の間から外を見ると、笠をかぶって包みをかかえた幸内が、ちょうど、いつぞや入って来た時に、お嬢様と会った小橋の上を渡って行く後ろ影が見えました。

三

お君はお銀様の居間へ上りました。

「お前のお国はどこ」

「伊勢の国でございます」

「伊勢の国はどこ」

「古市でございます」

「古市と言やるは、あの大神宮のおありなさるところ?」

「左様でございます、大神宮様のお膝元でございます」

「そこで何をしていました」

「あの……」

お君がちょっと返事に困ったところへ、不意に庭先へ真黒な動物が現われました。それはムクでありました。

「ムクや、こんなところへ来てはいけません、ここはお前の来るところではありません」

と言ってお君は、お銀様の手前、ムクの無躾なのを叱りました。

「これはお前の犬なの」

「はい、わたくしの犬なのでございます」