Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

「ねえ旦那」

「用があるなら早く言いねえな」

「何を言ってるんですよ、用があるから呼んだんじゃないか」

「そんなら早く言ってしまいねえ、俺らはこれでも主人のお使先だ」

「まあ、ゆっくりしておいでなさいよ」

「大事の金を懐中に持ってるんだ、主人の金だから大事だ」

「お金? 頼もしいわ、そんなに大事なお金なら暫らく預かって上げようじゃありませんか」

「お前は俺らを調戯うつもりなんだな。女のくせに、この暗いところで、男をつかまえて調戯うとは呆れたもんだ、俺らだからいいけれども、ほかの男だと飛んだ目に逢うぞ」

「あははだ、お前さんこの柳原の土手を初めて通るんだね」

「初めてなもんかい、これで三度目だい」

「三度目? それでも夜になって通るのは初めてだろう」

「そりゃそうよ」

「そうだろうと思った、この柳原は昼間通るのと、夜通るのとは規則が違うんですからね。夜になってからこの通りを通るに、税金がかかることを知らないんだろう」

「税金がかかる?」

「税金をわたしに納めてからでなければ、通れない規則なんですからね」

「馬鹿野郎」

女がからみついて来るから、友造は面倒がって逃げ出しました。逃げ出すといっても足の不自由な友造だから、早速には逃げられないで家鴨のような恰好をして駈け出しました。