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Japanische Klassiker mit Furigana

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ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

Lesen Sie 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.333 Zeichen · 385 Bildschirme

Aozora Bunko

これも経験の一つだから、まあ会って直に研究して御覧なさい。あなたの事だから田口に頼まれてこの間の晩後を跟けましたぐらいきっと云うでしょう。しかしそれは構わない。云いたければ云っても宜うござんす。私に遠慮は要らないから。それからあの女との関係もですね、あなたに勇気さえあるなら聞いて御覧なさい。どうです、それを聞くだけの度胸があなたにありますか」

田口はここでちょっと言葉を切らして敬太郎の顔を見たが、答の出ないうちにまた自分から話を続けた。

「だが両方とも口へ出せるように自然が持ちかけて来るまでは、聞いても話してもいけませんよ。いくら勇気があったって、常識のない奴だと思われるだけだから。それどころじゃない、あの男はただでさえ随分会い悪い方なんだから、そんな事をむやみに喋べろうものなら、直帰ってくれぐらい云い兼ねないですよ。紹介をして上げる代りには、そこいらはよく用心しないとね……」

敬太郎は固より畏まりましたと答えた。けれども腹の中では黒の中折の男を田口のように見る事がどうしてもできなかった。

七

田口は硯箱と巻紙を取り寄せて、さらさらと紹介状を書き始めた。