Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ひがんすぎまで
彼岸過迄
Lesen Sie 彼岸過迄 (ひがんすぎまで) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 195.333 Zeichen · 385 Bildschirme
僕は高木に対して競争心を有たないと先に断ったが、誤解を防ぐために、もう一度同じ言葉をくり返したい。もし千代子と高木と僕と三人が巴になって恋か愛か人情かの旋風の中に狂うならば、その時僕を動かす力は高木に勝とうという競争心でない事を僕は断言する。それは高い塔の上から下を見た時、恐ろしくなると共に、飛び下りなければいられない神経作用と同じ物だと断言する。結果が高木に対して勝つか負けるかに帰着する上部から云えば、競争と見えるかも知れないが、動力は全く独立した一種の働きである。しかもその動力は高木がいさえしなければけっして僕を襲って来ないのである。僕はその二日間に、この怪しい力の閃を物凄く感じた。そうして強い決心と共にすぐ鎌倉を去った。
僕は強い刺戟に充ちた小説を読むに堪えないほど弱い男である。強い刺戟に充ちた小説を実行する事はなおさらできない男である。僕は自分の気分が小説になりかけた刹那に驚ろいて、東京へ引き返したのである。だから汽車の中の僕は、半分は優者で半分は劣者であった。比較的乗客の少ない中等列車のうちで、僕は自分と書き出して自分と裂き棄てたようなこの小説の続きをいろいろに想像した。