Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
」
お雪は剥くものを剥いてしまうと、それを目笊に入れて、水口にいる女中の方へ渡した。そして柱に背を凭せて、そこにしゃがんでいた。
「ちょいと、あなたとこのこれはどうして?」
お雪は小指を出して見せて、「もう片着いて?」
「うん、まだ駄目なの。」
お増は眉を顰めた。
「月が変ったら、お柳の兄さんが田舎からその談に出て来ることになってはいるんですけれどね。」
「家の青柳も、堅気になって、何かこんなようなことでも出来ないものかしら。」
お雪は独り語のように言っていた。
二十五
「お増さん、今日は私ちょっと家へ行って見て来ますわ。」
お増と差し向いの無駄話や花などに、うかうかした四日や五日はじきに過ぎてしまったある日の晩方、お雪はふと憶い出したように、毎日火鉢の傍に放下してあった煙管を袋に収めて出て行った。
「あなたはほんとうに仕合せだよ。」
お雪は箪笥から出してみせる、お増の新調の着物などを眺めながら、そう言ってうらやましがっていたが、ここに居昵むにつれて、近ごろめっきりお増の生活の豊かになったことが、適切に解って来た。
その日は午後にまわって来た髪結に、二人一緒に髪を結わしなどしたが、お雪は鏡に向って見る自分の、以前はお増などより髪の多かった頭顱の地がめっきりすけて来たことが、心細かった。