Japanische Klassiker mit Furigana
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あらじょたい
日本の文学 9 徳田秋声(一)
徳田 秋声
Lesen Sie 日本の文学 9 徳田秋声(一) (あらじょたい) von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 346.393 Zeichen · 692 Bildschirme
」
調子づいて自分のことばかり言い立てる、お爺さんの元気のいい話を聞いているお増の胸には、しおらしい寂しさが、次第に沁み拡がって来た。お芳を誘い出して、うんと買物をしようと目論んでいた自棄な欲望が、いつか不断の素直らしい世帯気に裏切られていた。
お増は、帰りに日比谷公園などを、ぶらぶら一周りして、お濠の水に、日影の薄れかかる時分に、そこから電車に乗った。
「お帰りなさい。」
昨夕浅井がおそく帰ったときも、出迎えたお増は、玄関に両手をついておとなしやかに挨拶をした。そして誰が着せたか知れないような着物をぬがして、褞袍などを着せると、それは箪笥にしまい込んだ。お増は髪なども綺麗に結って、浅井のすきな半衿のかかった襦袢などを着込んでいた。
遊びに倦みつかれたような浅井には、幾夜ぶりかで寝る、広々した自分の寝室の臥床に手足を伸ばすのが心持よかった。
お増は顔を洗って、髪に櫛を入れなどしてから、昨夜室の親元から、いろいろ浅井に頼んで来た手紙を見せたりなどして、いつものようにお今に、婚礼の話などをしかけた。
五十九
仮にお今を迎えるための室の家が、出張店の人たちによって、じきに山の手の方に取り決められた。